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◇
『これだけ』以外の事を存分にし倒して、ぐったりとオチた木崎の頭を撫でて顔を眺めていると、ホテルの部屋のベルが鳴り響いた。
無視をしようとしても、二度三度と鳴らされるそれは諦める気配がなく、舌打ちをして起き上がり、玄関の扉を開くと金色の塊が飛び込んできた。
「ヒロちゃああああんっ!ごめんねぇええええ!!
こんなことならボクもついていけば良かったのに…っ!ヒロちゃんが汚されたあああ!」
「落ち着けハトリそれは氷呂じゃない」
「やぁんなんかたくましいムナイタだと思ったっ!」
「うぜえ」
部屋に飛び込んで抱きついてきた会計の顔面を掴んで後ろの書記へと投げつけると、ふざけた泣き真似をする会計が書記に抱きついていた。
「伊瀬先輩。氷呂は」
「寝てる」
抱き付いた会計の頭をぽんぽんと撫でながら低い声で睨みつける書記を睨み返し、そのまま扉を閉めようとしたが、一瞬早く会計の足が隙間に差し込まれた。
「伊瀬ぴょん先輩。ボク、ちょぉーっとオハナシしたいんだけどぉ」
「俺に話はない」
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