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「伊瀬ぴょん先輩がイタダキマスしちゃったヒロちゃんに関するオハナシですぅ~」
「…眞城も大概だがお前は相当にムカつくな」
「えぇ~?こんなにかわゆいボクに対して変なのぉ~」
「…書記。こいつ連れて帰れ」
「申し訳ありませんが…会長に話をしてこいと命令されて来たもので」
「すぐに終わるよぉ~
リオちゃんからの伝言っ!『氷呂に手を出すんなら俺らの家を敵に回す覚悟はしとけよ(キリッ)』だってぇ~」
「氷呂に酷い怪我はなかったようなので今回は不問にしますが、氷呂は璃王の大事な手札で御剣の持ち物です。
先輩の不用意な行動が原因で御剣の物に不利益が出たという事実を理解しておいてください」
「ってかぁ、ヒロちゃん図太いけど時々センサイだから優しくしたげてねぇ?
色んなイミで色んな部分を!」
「ハトリ…お前は少し黙っててくれ」
「やだよー!
伊瀬ぴょん先輩!ヒロちゃんは案外伊瀬ぴょん先輩嫌ってないんだからね!これ以上苛めたらビッグバンテラおこサンシャインヴィーナスバベルキレキレマスターなんだからね!」
「連れて帰れ」
「…うちの馬鹿がすいませんでした」
書記に首根っこを引っ張られ、廊下を引き摺られる会計がまだ何か文句を言っているのを扉を閉めて遮断し、戻った寝室のベッドで眠っている木崎の額にかかった前髪を払うと、ころりと転がって背中を向けられた。
「きさ…」
「…に…」
「木崎?」
「や…兄、さ……や…」
「…つまんねえ夢見てんじゃねえよ」
呟いて軽く頬に口付けると、微かに口元がふにゃりと緩んだような気がした。
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