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「ったく、誰だ…ブチ殺すぞ」
なんて物騒な言葉を耳元で呟いて、ゆっくりと上体を起こしシャツを羽織った伊瀬が入り口の扉に向かうのを確認すると、慌ててベッドから転がり落ち、鞄から着替えを掴むと逃げるように浴室へと駆け込んだ。
「び、びっくりした…」
最近。自分はおかしい。
おかしい。苦しい。
『てめえ殺すぞ!』
「ぴゃっ!?」
『あっはははは、先輩ドンマイケル☆』
『死ね眞城!』
『無理にしちゃ駄目だって言ったでしょ~。泣かせてません?』
『うるさい』
『氷呂~先に食堂行ってるからな~?早くおいでー』
『黙れっつってんだろ千切るぞ』
『嫉妬する先輩きゃわゆす☆』
伊瀬が怒鳴る声と心底楽しそうな眞城の笑い声の後、バタンと思いっきり扉を閉める音が浴室の扉越しに響いて、反射的に鍵をかけてしまった自分は何も悪くない。
「おい木さ…木崎!」
「…っし、シャワー浴びたらすぐに出ますから!」
「開けろコラァ!!」
「い、嫌です…!」
ガチャガチャと壊れそうな音を立てるドアノブに戦々恐々としながらひとまずさっぱりとして浴室の鍵を開けると、過去最大に機嫌の悪そうな伊瀬が立ちはだかっていた。
「きさ…」
「っ…食堂に行きます!」
「あ!逃げんなアホ!」
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