46人が本棚に入れています
本棚に追加
「良いなぁ。レッドくんはモテモテで。どうせ俺なんか、誰も相手にしてくれないよ」
青葉丈(アオバジョウ)。大きなバッグを背負い、壁に人差し指で小さな円をグルグルと描いている。
僕よりも二ヶ月前に、ニートから脱出するべくアルバイトを始めた二十二歳。
……てか、青葉さん。あなたはいつからそこにいた?
いつも突然現れては壁に向かってブツブツ、ブツブツ。
「そう言われてもねぇ、鏡子さん」
「そうですわねぇ、茉里ちゃん」
どういう訳か、青葉さんの一言は一時的に二人を仲良くさせる。
最初のコメントを投稿しよう!