キャンサーと出汁

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「ン~。やっぱり、良い出汁が出そうですね」 黒岩さんが鍋から漂う匂いを嗅いだ。 「ミソの部分は俺にくれよ!」 オッサンがミソ、ミソと、五月蝿く連呼する。 ――僕だけだろうか? 入隊祝いよりも戦った相手に敬意を……と思うのは。 それくらい、目の前で繰り広げられている弱肉強食な世界に圧倒される。 そうして思う。僕の夏休みは変な人たちに振り回され続けるのだろうか?と――。
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