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「お前が何を勘違いしてんのかしらねーけど、岸谷とは付き合ってない。
俺が好きなのは、千尋。お前だけだ。」
え、今、なんて?
ちぃが、俺を好き?
「千尋も、俺が好きだろ?」
言われて、真っ赤になる俺の顔。
ば、バレてたんだ!?
「ほれ、言って見ろ。」
目で俺を促すちぃ。
いざ、言えって言われると恥ずかしくて逃げたくなる。
「ち、ちぃ」
「ちぃじゃない。」
「智洋だ」と、俺に名前を呼ぶように優しく促す。
「…………智洋、が、好き、だ。」
「ん。」
言い終えるかどうかのところで、触れるだけのキスをしてくる。
「千尋は俺のもの。俺は千尋のものだ。」
「取り敢えず、証明してやるから1限サボリだな」と、呟きながら、またキスをしてくる。
俺の目からは、また涙が流れる。
でも、昨日の悲しい涙じゃなく。
嬉しすぎる涙だった。
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