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聞き覚えのある声に導かれるように振り向くと、下の方に見えたのは、一人の女の子。
「あ。」
「やっぱり山田さんだ!!久しぶりです~。」
千尋の2コ下の妹、真琴ちゃんだ。
千尋とは正反対のサラサラのストレート。
でも、笑顔は千尋とよく似てる。
「何見てたんですか?あ、チョコ。
もしかして、お兄ちゃんにですか?」
「あ、いや、まあ………。」
真琴ちゃんは、俺と千尋のことを知っている。
誰にも言えなかった俺への想いを、妹にだけ話してたらしい。
あ、チョコにといえば。
そーいえば、一昨年、去年と真琴ちゃんから手作りのチョコ菓子を貰ってたんだった。
「真琴ちゃん、いつもチョコありがとね。お菓子づくり上手なんだね。」
俺がそう言った途端、真琴ちゃんは大きい目をよりいっそう大きく開けた。
え?俺、今、変なこと言った?
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