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楽しそうに話してる2人の声が近付いてきて。
うわ。やばい。
俺、泣きそうだ。
重症だな。俺。
「ねえ、ちぃくん。」
「なに。」
甘ったるい、岸谷さんの声。
ちぃの返事の声まで、甘く聞こえてくる。
「私、ちぃくんのこと、ちひろって呼びたい。呼んでいい?」
「なんで。」
なんでだー!なんで、ちょうど俺が隠れてる所で立ち止まって、そんな話するんだよ!!
聞きたかねーよ!こっちは!
「ちぃくんの特別になりたい。
ちぃくんが、好きだから。だから呼びたい。」
「……………。」
なんだよ、ちぃ!!その沈黙は!
ああ、ダメだ。完璧泣く、俺!!
「────ろう!?」
2人に隠れていた事がバレようが、関係ない!!
泣いてることがバレる方が嫌だ!!
そう思った俺は、ちぃの声を無視して、無我夢中で逃げ出した。
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