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全力疾走で、家まで帰った。
玄関を開けて、そのまま部屋まで走りきって。
倒れ込むように、ベッドにダイブした。
限界だ。
もう限界だ。
ちぃが、岸谷さんと付き合うことになってもならなかったとしても。
俺じゃない誰かが、ちぃの隣りにいるなんて考えただけで耐えられない。
だけど、それより。
俺の気持ちをちぃに伝えて、嫌われて離れていく事の方が耐えられない。
結局のところ、俺はどうすることも出来ない。
身動き一つ、取れない。
考えたところで、堂々巡りなことに気付き、涙だけが溢れてくる。
「───────っふ………!」
俺は無意識にスマホの電源を落とし、布団を頭から被って、抑えきれない嗚咽を隠した。
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