First Love

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分かっていた。 分かっていたのだ。 でも、云わずにはいられなかった。 云わなければ、もう、私は私ではいられなかった。 震える指先も、微かに減った、シャープペンの芯も… 全てが私の気持ちだった。 そこに、嘘は一つもない。 …… 「だから、何も言わなかったのかな……」 溜め息は、見知らぬ街の片隅に消えた。 鳴り続ける携帯も無視して、一人、ベンチに座る。 誰もいない公園は寂しい。 だから、空を見上げた。 雲一つない青は、どこか不思議な感覚がした。 吸い込まれそうで、閉じかけた目を大きく見開く。 閉じてしまえば、何もかもを見失ってしまいそうで。 それだけは情けなくて、できないと思った。 …… 『……とにかく、追試だ。ちゃんと勉強しとけよ。』 『でも、間違いではないです。』 『……あのな~…』 『間違いなんかじゃないです。私にとっては正解なんです。』 『……テストの解答としては不正解だ。』 …… 『聞いた?』 『聞いた。』 『あれってどこ発信?』 『なんか、3組の子達が見たらしいよ。手つないで歩ってたから、間違いないでしょ。』 『そっか~…やっぱ彼女いたのか~、残念。』 『残念って…そもそもダメでしょ?』 『え~?なんで~?』 『だって、教師と生徒だもの。』 ……
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