どこにでもいる普通の高校生だ。

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中に入るとゲームとかでよくある謁見の間みたいな感じになっていた。そして玉座っぽいのに座っているおっさん。たぶん王様。俺達は玉座へと上がる階段より少し手前で止まる。 「お父様、お連れいたしました。こちらが勇者であるアキラ様です。そしてこちらはそのお連れの方のユウト様です。」 王女様が俺達を紹介する。するとその場にいた人達がざわついたり、こそこそ話し合ったりする。ちなみにここには騎士っぽい人達と貴族っぽい人達がいる。 「例え勇者であろうと王の御前だ!頭を垂れるべきだろう!」 その中から貴族っぽい人の一人がなんかほざく。何言ってんだこのおデブは。お前普通に突っ立ってんじゃねえか。なんて思ってるとアキラが目配せしてくる。つまり俺にどうにかしろと。面倒だから却下って目で返す。すると勇者の俺がやったら角が立つからお前なって返ってくる。いや、お連れの俺がやる方が問題じゃね?まあ、いいや。俺がやりますよーと。とりあえず再びアイコンタクトでなんか奢せることにする。さて交渉が成立したので頑張りますかねー。といわけでその貴族の方を向く。 「そんなことも分からないのですかと。」 「なんだと!」 「そんなことも分からないのですかと。」 「馬鹿にしているのか!」 「そんなことも分からないのですかと。」 「なっ、き、貴様っ…」 あっ、やべ。ついついやっちまった。相手の顔真っ赤じゃないですかー。ま、いいか。このままいきますかね。 「まあ、これからもこのことについていろいろと言われそうなんで先に言っておきますが、むしろ何故頭を下げる必要があるのですかと。その必要を全く感じません。」 そこで俺は王様の方へ向き直る。ざわざわしてる周りなぞ放置だ! 「ファンダリア王にもはっきりと言っておきます。今の段階で私達は決して頭を下げることはありません。なぜなら私達はこの国の民ではない。そもそもこの世界の人ですらない。そしてあなた達はそちらの都合で私達をこの世界へと呼び出したのです。おかげで私達は多くのものを失いました。家族を、友を、平穏な日々を。なのに何故頭を下げなけばならないのでしょうか。あなた達は私達から大切なものを奪ったのです。そのことをお忘れなきよう。」 言い終わるとなんか静まり返る謁見の間。ちなみに失ったとか言っちゃったけど実はちゃんと元の世界に帰る方法見つけてますとかだったらどうしようか。
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