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一体、なんの話かと私は首を傾げた。 そんな私にミケの擦り傷だらけの手が伸びてくる。 「誰にでもあるだろ?」 「…誰にでもある?」 長い指が私の髪を一束掴む。 「得意な事と苦手な事」 「…」 その指クルクルと髪を巻き付け弄ぶ。 「好きな事と嫌いな事」 「…」 器用に動く指。 「やりてぇと思う事とやりたくねぇと思う事」 「…」 まるで私の髪が意志を持ってその指に絡み付いているような錯覚を覚える 「誰にでもあることじゃね?」 ミケは指に巻き付けていた髪に唇を寄せた。 至近距離で聞こえるリップ音に、私は目を見開いた。
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