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ミケは意味有り気な笑みを浮かべて私を見ていた。
「何の話?」
「あれ」
ミケが指差したのは、今まで私が視線を向けていたテレビの画面だった。
その画面に映っているのはさっきまで私が眺めていた恋愛もののドラマで、女性が泣いたり怒ったり笑ったりと大忙しだったもの。
それが一体どういう経緯でそうなったのか全く分からないんだけど、いつの間にか際どいシーンになっていた。
際どいと言っても、殺し合いに発展しそうな殴り合いを繰り広げているとかそんなんじゃなくて…。
画面の中央にはさっきまで喜怒哀楽を激しく主張していた女性とどういう設定の役柄か全く分からない男性が映っている。
その2人が繰り広げるのは、見ているこっちが引くくらいの濃厚なキスで…。
いつまでも終わる気配のないキスは、終盤ではなく何かの始まりなんだって私にも分かった。
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