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「そっか」 「うん」 「効果がないって分かったし明日からは堂々とするけどね」 「大丈夫なの?」 「大丈夫。コソコソ身を隠すより一刻も早く事を終わらせた方が楽だし」 「…そうかもね」 「うん。 それより…」 「…?」 「ミュウに聞きたい事があるんだけど」 「…聞きたい事?」 「うん」 「…なに?」 「ミュウがあの机に向かうのってなんで?」 その瞬間、私の身体は強張った。 全身から血の気が引き、背中に冷たいものが流れた。 バクバクと暴れる心臓は、私の呼吸をも速める。 ――…甘いだけの誘惑なんてない。 その先に待ち受けるのは、脆い関係の破滅…――

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