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私が最後まで言葉を紡ぐ事は無く
すぐに受話器を置く音が聞こえた。
そのすぐ後に、門のロックを解除する音が聞こえた。
それが、入っても良いということだと理解した私は恐る恐る門を開き、敷地内に足を踏み入れた。
玄関のロックはすでに解除されていた。
ドアを開くと、そこには父が立っていた。
「美羽、おかえり」
父は柔らかい笑みを浮かべていた。
「…こんばんは」
ぎこちなく言葉を発した私を、父は悲しそうに見つめた。
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