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だけど、それは一瞬の事ですぐに柔らかい笑みを浮かべた父は
「ほら、早く中に入りなさい。お腹が空いただろ?母さんが食事の準備をしているよ」
私を促した。
「…うん、お邪魔します」
小さな声で呟いた私は靴を脱ぎ、父の後ろに続いてリビングに入った。
リビングから見えるカウンターキッチンの中ではあの人が忙しそうに動いていた。
「さぁ、美羽。座りなさい」
父がソファに座るように勧める。
それに従い、ソファに近付こうとした私はその足を止めた。
「…お母さん」
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