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だけど、それが出来なかったのは私の頭の中に1つの現実があったから…。
――…私は、ミケを捨てたんだ…――。
そう。
あの時、ミケを天秤にかけたのは私。
ミケじゃなくて自分のちっぽけなプライドを選んだのも私。
そして、ミケを突き放したのも私。
…そんな私が今更、ミケに縋り付くのは虫が良すぎる…。
その想いが私の行動を引き止めた。
一旦、気持ちを落ち着かせる為に瞼を閉じ目に映るもの全てをシャットダウンする。
視覚からの情報を遮った途端、他の情報収集器官が敏感になる。
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