10話

「必要？」

私は恐る恐る尋ねた。

「もちろん。ミュウがいてくれないと俺は窒息死しちゃうかもしれない」

おどけた表情に軽い口調。

だけど、とてもじゃないけどそれは冗談には聞えなかった。

聞えなかったからこそ、私は嬉しかった。

人に必要とされたことなんて今まで一度も無い。

寧ろ、自分は要らなくて邪魔な存在なんだと思っていた。

だからこそ、ミケの言葉が嬉しくて仕方がなかったんだと思う。

私の存在を認めてくれたミケの言葉が嬉しくて私の瞳からは涙が零れ落ちた。