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「…多分、父親も母親と女の子の関係を見兼ねていたんだと思う」 「…」 「何事に対しても無気力になっていた女の子は、その提案をあっさりと受け入れた」 「…」 「そして、女の子は実家を離れて新しい生活が始まった」 「…」 「だけど、生活環境が変わったからと言って女の子の心の傷が癒える筈もなく、合格した高校に通う気にもなれず引き篭もりがちな生活が始まった。」 「…」 「今まで、勉強一筋でそれ以外の事に時間を費やしたことの無い女の子は、料理はもちろん掃除だって出来ない」 「…」 「最初の頃は、全自動の洗濯機の使い方さえ分からなかった」 「…」 「幸いなことに、彼女の父親は一般的な家庭の父親より収入があったから、彼女は何不自由なく暮らせるくらいのお金を生活費として受け取っていた」 「…」 「だから、料理が出来なくても外で食べたりお弁当を買ったりいくらでも方法はあった」 「…」 「片付けが出来ないなら、必要最低限の物以外を置かなければいい事にも気付いた」 「…」 「1人での生活を始めて、1月も経てば女の子は自分なりの生活が送れるようになっていった」 「…」
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