2/40
384人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
教室内にいた全員が驚いた表情でドアの方に視線を向けた。 それは力一杯開かれたんじゃないかって言うくらいにけたたましい音が響いたからで…。 それまで賑やかだった教室内は一瞬にして静まり返った。 たくさんの視線の先にいたのは、坊主頭の男の子だった。 着崩してはいるものの、ミケと同じ制服を着ているところをみれば清桜の生徒だと分かる。 だけどその顔に見覚えはなかった。 …とはいえ、私はミケ以外の人の名前も顔も覚えてはいないんだけど…。 短めに切り揃えられた髪は、赤茶色。 見据える様な眼は、不機嫌そうに細められている。 一見、軽そうに見える中性的なミケとは正反対で男らしい精悍な顔つき。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!