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いつもと同じように私達の前に現れたタロウは いつもと同じようにミケとだけ話すのかと思いきや 「おい」 私の予想を裏切り、タロウは私に視線を向けた。 眉間には皺を寄せ、不機嫌極まりない表情を浮かべているタロウ。 想定外の出来事に私は完全にパニック状態に陥り、必要以上にタロウを凝視してしまった。 「…だよ? なに、アホ面晒してんだ?」 「…」 「ブッサイクな顔が余計にブッサイクに見えるぞ」 タロウはサラリと失礼極まりない事を言い放った。 「タロウ」 そんなタロウの言動を制するようにミケが低い声を出すと 「そう言えばさ…」 タロウは一瞬にして、その表情を変えミケの方へと向き直った。 いつもと同じように、ほぼ一方的にミケに話し掛け続け、最後にはミケに促されて渋々と自分の教室にタロウは帰っていった。 タロウの背中を視線だけで見送ったミケは、その姿が見えなくなると呆れたように盛大な溜息を吐き 「ミュウ、タロウが失礼な事を言ってごめんね」 申し訳なさそうに謝罪してくれた。 なんで、ミケが謝るんだろう? そんな疑問が全く浮かばなかった訳じゃない。 でも、私はそれどころじゃなかった。 「…ミケ…」
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