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「やぁんもう、可愛い!!」
「うわっ、ぅぷ!?」
仕草や口調があまりにも父親と類似していたのを目の当たりにした影響なのか、朔夜は我慢していた興奮を解放して息子である慎に飛び掛かっていた。
レディスーツを着た彼女の胸元に顔を押し付けられ、その豊満な双丘に顔を挟まれる。
「やっぱり息子は良いわね!!可愛いし苛めがいがある!!」
「ぐぬっ、息が……っ」
必死に抜け出そうと抵抗するも、あまりの力強さにそれも叶わない。
しかも、不幸な事態は重なってしまうのが世の理で────。
「ちょっと慎くん!!玄関にある知らない靴は誰……の」
生徒会の仕事を早々と片付け、自宅に帰るなり発見した見知らぬ謎の靴。それを見た漆が部屋に飛び込むのと、
「やっはー、我が娘。ただいま~」
慎を胸に抱いたまま、何事も無かったかのように漆を迎えたのは同時だった。
その瞬間、
「さよなら母さんまた来世でね」
淡々とした口調で右手から雷球を放つ漆がいて。
「そうは問屋が卸さないわよ漆ちゃん」
同等の威力を秘めた雷球を同じタイミングで放っていた。
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