2/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
翌日も、そのまた翌日も、雨は降らず、冷たい風と、少しだけ暖かい陽の光が、外の世界にはあった。まるで、昨日までの、あの思い出が全て、無かったことのように、何事もなく、平和な日常。 休み時間や、授業の移動の時、彼女に似た人を見かけた。いや、似た人ではない。それはきっと、彼女だった。分かっていた。あれは彼女だってことぐらい。分かっていた。彼女が、こちらを一瞥して、悲しげに顔をそらしたことぐらい。 分かっていた。 彼女が、自分を好きでもなんでも無いってことぐらい。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!