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校内・木崎 由奈 新たな始まりを告げるかのように、翌日からは、晴れが続いた。きっと、長い夢を私は見ていたんだって、そう無理に思ってもみた。 でも、ふとした学園生活の折、彼を見つけてしまうと、あの思い出が蘇る。ドキッとなって、彼を一瞬見つめる。彼は、まるで私のことなど、元から知らなかったかのように、そっぽを向いて、歩いていく。 その度に、私はまた、涙が溢れだしそうで、たまらなく嫌な気分になった。 そうだ。今執筆している小説も、これで終わりなのだと思うと、たまらなく苦しい。
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