町へ 学園へ

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「これまた金がかかっていますこと…」 第4棟寮は高級感溢れる棟だった。 高級ホテルと言っても過言じゃない。 中に入って、本日2度目の呆れのため息。 前言撤回。 ここは寮ではない。 ホテルだ。 それも高級。 ロビーは落ち着いた色調の家具が多いが、その家具全てが高級品。 …必要ない。 金の無駄遣いだ。 「こんにちは」 とりあえず、管理人らしき女の人に声をかける。 女の人はピンク色の髪にピンク色のキラキラとした目。 目を見張るほど、綺麗な女性だ。 …多分。 「あら、こんにちは。 今度1年生の子かな?」 「はい」 「そっかぁ。 あ、あたしジュリー・カナール。 よろしくねっ! キミは?」 「アラン・ウォルターです」 「アラン君ね。 えーと…キミは9階の902号室だよ。 はい、これ鍵。 エレベーターはそこの角を曲がってすぐだよ」 「あざーす」 そう言って、俺は歩き出した。
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