人助けは主人公の仕事

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「ジュリーさん」 「あら、アラン君。 1時間ぶりね。 どうしたの?」 ジュリーさんはこてんと首を傾げた。 わお…普通の男だったら鼻血噴いてるな、絶対。 …俺? 俺は噴いてねぇよ。 普通じゃねぇからな。 「ギルド登録しに行きたいんですけど、俺、この辺りのこと全く知らないんすよ」 「そっかぁ…。 あたしで良ければギルドのことは教えるけど?」ニコ 「お願いします」 ニコッと笑ったジュリーさん。 …あ、近くを通った男子数人が倒れた。 南無南無…。 「さてと…この街にギルドは8つあるの。 知ってた?」 「いえ…そうなんですか」 「うん。 1番古い4つのギルド。 東に『青き龍』、 西に『朱き雀』、 南に『白き虎』、 北に『玄(クロ)き亀』。 次に1番ギルド員が多い『神々の祈り』。 女性ギルド員が多い『人魚の鱗』。 総合的に1番守りが堅い『鉄壁の城』。 最後に数ヶ月程前に出来た『黒龍の咆哮』」 亀って…(笑) 蛇が消えた(笑) 「その『黒龍の咆哮』って強いですか?」 「うん。 新しい割には強いよ?」 「そうなんですか…。 んじゃ、そこに行ってみようと思います」 すると、ジュリーさんは困ったように笑った。 「あそこは紹介制なんだよー」 紹介制、なぁ…。 「それに入る前に実力テストがあるんだー。 その結果によって、ギルドマスターが入れるか入れないかを決めるの」 ギルドに入るのも、案外難しいんだな…。 「んじゃ、俺『神々の祈り』に行きます。 地図とかって貰えます?」 「んー…と、これでいいかな? はい。 赤丸印のところが『神々の祈り』ね」 「あざーす。 んじゃ、行ってきますわ」 「いってらっしゃーい」 再びニコッと笑ったジュリーさん。 ロビーは血の海へと化していた…。
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