654人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の早朝、俺は親父から政治について学んでいた。
大きくなったら、王になる可能性もなくはないからだそうで…。
その日は今までやった問題の復習も兼ねてテストをした。
…結果?
満点に決まってんじゃん。
幼い俺はそれを飛び跳ねて喜んだ。
それが親父には不憫に思えたらしく、初めて俺が見ている目の前で泣いた。
『ごめんな。
俺たちのせいでこんな目に合わせて』
ってな。
そんとき、俺はふと思った。
どうせ城内に居場所がないんだから、死んだことにして修行の旅にでも出ればいいんじゃね?とな。
親父は俺の修行に対する熱心さ(?)に泣いて喜び、母さんはふてくされた。
なんでも、『子供の成長をそばで見守るのが親!』とのこと。
そんな母さんを親父と執事が説得してようやく納得させた。
…条件付きではあるが。
1つは旅ではなく、普通の村で普通の暮らしをすること。
どうしても旅は受け付けられなかったらしい。
2つは学校、学園は指定したところに行くということだった。
準備は着々と進み、そして、俺はお世話になった身の安全のため、色々な準備をしてくれた研究者。
牢獄にいたときもずっと笑って見守っていてくれたメイドの長。
などなど、俺を認めてくれた人に真夜中、こっそり挨拶回りをする。
最初のコメントを投稿しよう!