モブさんこちら手の鳴る方へ♪

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時間が経つのは早いもので、気づけば時刻は夜の9時。 最後にみんなでグレイを散々いじり、親睦会はお開きとした。 てなわけで、今俺の部屋に居るのは俺とレインの2人だけ。 レインが持ってきた高級ワインを煽っていた。 「…あんなこと言ってよかったのかよ」 「あんなこと?」 はてさて…。 なんのことやら…。 「王家を出た理由が”家出”で」 「あぁ…」 なんだ、そのことか。 「いいんじゃねぇ? 説明すんの、めんどいし。 ”家出”の方が単純明快だろ」 あいつらもそれで納得していたし。 俺ならやりかねないと言って。 「それに同情されてもダルいだけじゃん」 「でもなぁ…」 困り顔のレインを横目に見ながらナッツを少しかじる。 双子なのに、こいつは俺と違って情に厚い。 国民に好かれる理由がわからなくもない。 かと言って、羨ましいとは思わないが。 「ま、いつかそれとなく話すからさ」 「Ok。 んじゃあ、もう口出しはしねぇ」 「さんきゅ」 俺らは顔を見合わせてニシシと笑った。 「ところで、話変わるけどよぉ」 「ん?」 「お前、『黒龍の咆哮』のギルド員なんだってな」 「360度回転ww」 「変わってねぇじゃんww」 気にしないww 「俺も入る」 「え、ダル」 「覚えてるか? 昔、お前が罰ゲームで超フリフリのドレs「よし、行こうか」」 トラウマを思い出される前に俺は転移した。 あれは一種の悪夢だ。 うん。
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