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「待ちに待った出発だね、お兄ちゃん!」
待ちに待ってはいないが…。
そう思いつつ、村に住む幼い女の子に微笑む。
そして、村の門の前に集まるたくさんの村人の顔を観察。
嬉しそうに口許を緩ませるヤツや、寂しそうに微笑むヤツ。
人によって様々だ。
「頑張ってね!」
「貴族になんかに負けるなよ?」
「休暇中には帰ってきてね!」
「帰ってきたら、ヤ ラ ナ「ここに危険なヤツがいるぞ!?抑えろ!」グフッ」
慌てて周りにいた村人たちが危険なヤツを抑える。
うん、確かに危険だわな…。
そんな光景に苦笑する俺。
「んじゃ、行ってくるわ」
「「「行ってらっしゃい!!」」」
こうして俺は、長年住んでいた村を離れたのだった。
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