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「風がなーい!」
楽しそうにぶらんこをこぎながら騒ぐ、
彼女は稚那(ちな)、なんというか元気だ。
「そうだな」
私はいつも通りぶっきらぼうに返す、
名前は紅炉(くろ)、稚那とは幼馴染み。
「人もいないし、木も動いてない!」
相変わらずニコニコと騒ぐ稚那、
「ほんとだな、雲も動いてない」
普通に、次の言葉を出す私。
「まるで時間が止まったみたーい」
稚那はかなり呑気な子だ、
こんな能天気な発言はいつも通り。
「これはないだろ」
こっちも微笑ましくなる。
そして私達は笑う、いつも通りに。
事実に気づくまでは…
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