永久の記憶

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「とにかく、俺達のリーダーは世間様のイメージと違って、度の越えた変人だ。早く慣れといた方がいいぞ?」 「な、慣れる…ものなんでしょうか?」 未だ整理のつかない頭で絞り出したらしい声は、消えそうな程か細い 「いずれは、な。どうしても無理なら、他の小隊の世話になることも出来る。まっ、マスターがこの小隊に入れたんなら、お前もそれなりだと思うぞ」 「それなりって…どういう…?」 今にも泣きそうな表情の青年に溜息をついた大男は、彼の肩を力強く掴み、自分の体に引きつける 「そのうち分かるって言っただろ。今日の戦いは終わった、今はその事実だけで十分だ」 彼の手の大剣を掴み、背中の鞘に戻してやる 「おいお前等、なに男同士でくっついてんだよ?そういうのは帰還してからにしろよ」 メンバー達を集めていたセシルが二人の前を飛び去り、怪訝そうな視線を送ってくる 「そら!小隊長命令だ、さっさと行くぞ。詳しいことは帰り道にでも話してやらぁ」 音を立てて振り下ろされた手の平が背中を強打するが、大男は気にする素振りも見せない 思わず顔をしかめて抗議しようとするが、彼は既に飛び去った後 一人取り残された青年は、戦いで得た経験値と背中の痛みを土産に、仲間の元を目指す 遅れてやってきた増援の陰が、地平線から顔を出した太陽に反射する 戦いは終わった だが、今日が始まる 仮想世界の太陽も、現実と同様に燦々と大地を照らす 偽りの陽の光を浴びる彼らが、本物の天を拝むのを、妨げるように
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