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「…クソっ、結局俺たちだけでやるしかないのか!」
闇夜に向かって叫んだセシルは、併走するアイラの腕を掴み、さらに加速する
「なっ、ちょっとセシル!」
途端にバタバタと暴れ出すアイラであったが、間近で前方を見つめるセシルの顔を凝視すると、覚悟を決めたように手首に手を回す
左手にはめ込まれた銀色の腕輪の液晶スイッチを押すと、何もない空間から突如光の粒子が出現し、アイラの手に集まっていく
すぐにそれは一本の神々しい杖の姿へと変化し、先端の宝玉が力強い紅い光を放ち始めた
それに倣ってセシルも空いた方の手に一本の刀を出現させ、空中で綺麗な残像を描いてみせる
「ギルド《エデン》のセシルだ!残存プレーヤーはただちに防衛線まで後退し、反撃に備えてくれ!それまでは俺たちが戦線を保持する!」
『《三毛猫同盟》了解した!先に撤退する!』
『《マザーウッド》分かったわ!くれぐれも死なないようにね!』
『《アニマル騎士団》だ!残存兵力を以て《エデン》を支援しながら後退する!』
パーティーチャットを通じて、腕輪から各ギルドの代表者達の返答が返ってくる
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