20人が本棚に入れています
本棚に追加
夏祭り
夜空に大輪の花が咲いた
其れを見上げた
色採々の金魚は
綺麗と一言呟いた
其の時、僕は一人だった
亦、夜空に花が咲いた
其れを見た丸々風船は素敵と笑った
何時しか
二人に成って居た
今度は三人で花を見ようと約束して、あっという間の歳月が流れた。
三度、花が咲いた
金魚と風船は目を潤わせた
最初で最後に、三人で花を見た
やがて風船は空高く飛んだ
其の中の一つを捕まえた人は
風船を私に下さいと言った
今度は四人で花を見ようと約束して
気が付くと五人に成って居た
小さな小さな紫陽花は
花を見て無邪気に笑う
毎年、こんな風に夏祭りは人が増えていくのだろう
そして
何時みても其の花は美しかった
最初のコメントを投稿しよう!