貝殻

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貝殻

 浜辺の足跡を辿ると  君に出逢った  君は傘もささずに、燦々と照る太陽の下  波の音をBGMに日光浴をしていた  海からあがった君の躯は海水で艶やかで  白い肌に薄い桃色  けれど不思議だ  君は僕が出逢ったどの女(ひと)よりも  孤独で  気丈で  そして魅力的だった  君は僕と言う男を目の前にそっぽを向いた儘  何処から来たの? そう訊ねても何も言わない  大切な男は居たけれど  既に別れた後なのだろう  心の内側に罅がはいって居る  海の神が君を連れ戻す其の前に  僕が君を連れ去って良いかな?  独り占めしてみたい。  砂の入った器  魚達の泳ぐ水槽  君は此の砂浜に居る時依りも  ずっと輝けるだろう
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