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いつも家に来る子供たち。
いっしょに楽しく笑う、どこか見覚えのある長い髪の幼い少女。
そんな光景を見ていると心地好い気分になれた。
みんなと少女がいる場所に歩み寄ろうとした時。
――誰かの声が聞こえた。
「……い、……ろ……」
その声はどこから聞こえいるか分からない。
「おい、……きろー」
どんどん大きくなっていく…………うるさい。
「おい、……ろって!」
――うるさい。
「おい、起きろ!!!」
「うるさいっ!!!!」
誰かの声に思わず力んで叫ぶ。
でも…………何か変だ?
何故か冷たいゴム質の床に横たわる感触がした。
ゆっくりと目を開けた先は見覚えのない通路だった。
もしかして、さっきまで眠っていてあの声の主に起こされたのか?
ぼんやりする頭を支えながら辺りを見回す。
すると一人の男が苛立ち気味な表情で立っていた。
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