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改めて校舎を見ると、どこか古ぼけてて埃っぽい。
外を見ようと窓に目を向けると。
まるですりガラスのように灰色の濁った窓では、見えるものも見えやしなかった。
確かに見覚えはないけど、なぜか懐かしい雰囲気に…………少々ある不思議な点を除けば。
校内を見回しながら歩き出す。
数十メートル進んだ時、後ろから駆け寄ってくる声。
「おまっ!?いきなり歩き出すな!せめて一言言ってからにしろ!!」
振り向けば、身長に見合う足で走ってくる男の姿。
「出口を探してたんだよ。出れるなら早い方がいいだろ」
そう言ってまた前を向いて歩き出すと、男が追い付いて歩く歩幅を合わせてきた。
「……いっしょに行くのか?」
「はっ!むやみやたらな行動はしねぇつもりだからな」
「それ答えになってないだろ」
「じゃ、身長の低いお前の護衛」
「(…………縮め、縮め。……真上から象に潰されて縮め)」
「……寒気がしたんだけど俺に何かしたか?」
「さあ、どうだろう」
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