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しばらく校内を彷徨いていると、男が立ち止まる。 「……何か聞こえねぇか?奥の部屋から」 そう言われたので、物音を立てずに耳を澄ましてみた。 「…………………うぐっ…………うぐっ…………うぐっ……」 ――聞こえた! 奥の部屋から……不気味な声が。 男の顔を見て静かに頷く。 すると男が指を指して、「行ってみるか?」と囁いた。 二度目の頷きを済ませ、二人で声の聞こえた部屋の前まで慎重に歩く。 すぐそばに来たことで、不気味な声は一層大きくなった。 このドアの先に何かがいる。
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