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壁に背中をぴったりとつけ、引戸をゆっくり開ける。
ゴクリと息を飲んで部屋の中を覗き込むと。
「……うぐっ……ひっぐ……うぐ……」
そこには力なく床に座り込み、泣きじゃくっている少女がいた。
歳はこっちと大差ない。
多分15歳ぐらいの学生服を着た少女。
「……うぐっ……ひっぐ……ぐっ……」
彼女を見るなり、心配になって駆け寄った。
「……ひっぐ?」
足音に気付き、泣くのを忘れてこっちを見つめる少女。
その目は赤く腫れていて、そうとう泣いたようだ。
「大丈夫か?きみの名前は?」
「…………分かんないし、大丈夫じゃないよ。……だから……うぐっ……ひっぐ……うぐっ……」
問いかけにそう答え、少女は再び涙を流し始める。
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