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俺の母さんも女子高時代にこの高校を卒業している。
更に言えば、家から学校までそれほど時間が掛からない事も魅力の一つに上がるだろう。
そんなこんなで俺もここを受験し、入学に至ったわけだ。
学校を目前に控えた俺は、何処を見ても同じ制服に身を包むのは女子生徒ばかりな事に気付く。
元々女子高なのだから女子生徒が多いのは当たり前だが、中学校時代の友達が入学すると言った話も耳に入って来てはいない。
だが、桜の舞う通学路に可愛い女子高生という花が添えられているのもまた事実。
暖かい四月の空の下、優しい匂いに包まれ学校への道を歩いた―――。
少し冷たい風の入ってくる体育館で、入学式がはじまった。
入学した生徒は200名。
辺りを見渡し俺は顔を曇らせた。
「この学校……男子俺だけかよ―――」
想定外の、否、頭の何処かでは解っていた筈だ、この現実を。
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