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まぁ、今日はリーのことはいい。
久々の休日なんだし、ゆったりと過ごさせてもらうことにしよう。
そう思い直し、ふと窓の外を見て…
光の速度で目を逸らす。
…………幻覚が見えた。
そうだ、幻覚だ。
こんな日にあいつがここにいるわけがないのだ。
「ネジ!ネジ!!なんで無視するんですか!!」
…………今度は幻聴だ。
疲れているのだろうか。
やはり今日は休息をとるべきだ。
そう判断し、寝室へと踵を返す。
「ネジっ!!!」
いつの間にか目の前に移動してきていた幻覚に肩を掴まれ揺さぶられる。
…揺さぶられている?
と、言うことは幻術か。
そうだ、それだ。
「ネジ!!聞こえてるんですか!?」
「…解」
「なに寝ぼけてるんですか!さぁ!行きますよ!!」
どこに行くのかも聞けぬまま、リーにズルズルと引きずられ連行されるという形でネジの現実逃避は幕を閉じた。
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