ヒナタがくれたもの

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彼女はネジと同じ日向一族であり、宗家の嫡子の日向ヒナタという。 ネジの従姉妹にあたり、ひとつ年下の彼女を、幼い頃はよく面倒を見たりしていた。 しかしあくまでも幼い頃は、の話であって、父が死に宗家に不信感を持ち始めた頃から段々と関わりが減ってゆき、現在ではほとんど話すことはない。 それどころか、中忍試験で手合わせした時のように、これまで何度も辛辣な言葉で彼女を傷つけたことも何度もある。 だからこそ今ここにこうしてヒナタが訪れたことにネジは驚いていた。 「ヒナタ様、どうしてここに…?」 自分の中では宗家へのわだかまりは解けてきているが、これまでヒナタに冷酷に接してきた事実がなくなるわけではない。 当然ヒナタにとって自分は恐ろしく疎ましい存在だろうと思っていたため、ネジにはヒナタがこうして自分の身を案じてくれていることがどうにも信じられなかった。
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