1

3/6
前へ
/6ページ
次へ
クラスでからかわれることは無くなったが、友達ができたわけではなかった。 僕はどこか親しみにくいのだろうか? 頑張って声をかけてみても、無視はされないが壁を感じる。 孤立するようになっていった。 勿論、行くときも帰るときも……。 一人でもくもくと歩いて帰っている。その事に一番最初に気がついてくれたのも剣さんだった。 「一緒でもいいか?」 剣さんは理由なんか聞かなかった。 ただ、そう言って隣にいてくれた。 いつも帰り道1人だったのに、その日から剣さんとその妹である舞ちゃんと三人で帰るように なった。 舞ちゃんは隣のクラスの子だったが、僕が道場に遊びに行っていたから仲は良かった。 1人じゃないことが嬉しかった。 舞ちゃんその日あったことを話して、そんな二人を剣さんが見守っている。 振り返ると必ず笑ってくれる。 僕は登下校の時間が一番好きになった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

103人が本棚に入れています
本棚に追加