新入部員!

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た『な・・・何か話さなきゃ・・・!』 「定期、拾ってもらえて助かりました。 実は落とした記憶が無くて・・・ えと・・・何処に落ちてたんですか?」 おずおずと話しだす。 島浦は、表情を変えずに答える。 し「学校の門のところ。 前歩いてた田宮のカバンから落ちたのを 偶然見たから。 で、そのまま 気がつかないで歩き始めたから、拾った。」 た「え!そうだったんですか!?」 『なつきと話に気を取られて・・・ 島浦先輩が後ろを歩いてたなんて――― ―――気がつかなかった! 気づけよオレ!!!』 自分に心の中で突っ込みながら ぐるぐるふらふらしているたいちを横目に し「田宮。」 た「は、はい!」 し「・・・オレに、聞きたい事ある?」 た「え?」 『審査の事とか実害の事とか・・・ ・・・教えてくれるのかな? いや―――でも―――・・・』 た「島浦先輩が、話したく無いなら 聞かないです!」 し「別に・・・あ ここから道、反対方向だから。」 た「あ、はい! 気をつけて帰ってください! あ!定期、ありがとうございました!」 たいちは、わたわたと頭を下げる。 し「もう落とすなよ、定期。」 そう言って、島浦先輩はオレの頭を わしゃわしゃと撫でた。 た『島浦先輩の手がぁあ! ヤバい!嬉しい!・・・でも! 恥ずかしい!!!』 たいちは顔を真っ赤にして ボサボサになった頭を上げられずにいた そんなたいちに、島浦が言った。 し「・・・なぁ田宮。 キスしてくれるなら、教えても良いよ。」 たいちは、―――――ピタッと固まった 目を見開き島浦の顔を見た。 た「え!? なっ!何言ってるんですか?! オレ、男ですよ?!」 し「・・・確かに。 じゃーな。気をつけて帰れよ。」 そう言って島浦は、帰って行った。 ――――――――― たいちはというと、そのまま固まった状態から ギクシャクと30分かけて家につき。 モソモソと制服のままベットに入り込んだ。 た『島浦先輩・・・と・・・キス?! えーーーー! 先輩・・・ あ・・・教えてくれるんだ・・・ キス・・・したら? というか、明日まともに話せるか心配になってきた・・・』 と、ずっと同じ言葉が回っていた。
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