時は揺れ動く

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 憑く神。  この世界にいる私達のほとんどがそれを知っている。それは伝承として、都市伝説として人々の社会と心の中に根付いている。  しかし私達はそれを正しくは認識していない。それは彼らを伝説扱いしている人と現在に存在していると異なった認識の人がいる時点で彼らの存在をよくは知らないでいる。  今、憑く神という存在で一様に知られていることは少ない。一つに彼らは人間とは別の存在であり、個々の姿はかなり違う。それを憑く神という一つの言葉で括っている理由は、彼らは人間と同じぐらい、それ以上の知識を持つことが挙げられる。  しかし、それは憑く神の中でも一部に対して言えることで、大部分の理由が彼らは個々で特異な能力を有する存在であることから一つに括られている。古くから日本の伝承の中で全く異なった性質を持つ生き物を妖怪だという言葉に纏めているのと同じ事である。  それが世間の中で広くに知られていることである。それ以外の情報では特異な能力は一つに空を飛ぶ能力や霧を作り出す能力、炎を操る能力と、どこかの御伽噺のような能力が私達の情報に溢れ、それらは彼らが一つの不思議な能力を持つという共通する部類以外には、共通するようなものはない。  もっと深く調べれば、彼らは人間を滅ぼす為にやってきた宇宙人だとか、彼らは人間を丸ごと食らう生き物だとか、信憑性のない個人的な主観を下にしたような情報が山のように溢れ、調べればきりがない。  その情報の中で正解しているのはごくわずか。  憑く神は記憶を食らう。  これも勝手な妄想なのだと人の中で流されてしまうような情報。実際に多くの評論家などが非難している一つの事柄。  でも、これは噂としてはかなり有名な事柄。    そして実際に彼らはそれを餌としていた。  人と契約することによって人の記憶を食らう生き物。  多くの人々が噂として知っていることで、彼が私にそう教えた。  その餌となった私に。
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