第五章 虐待

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母の帰りが仕事で遅くて、父の祖父母のイジメも母に対して酷かった。 両親の喧嘩がこの頃から絶えなくなった。 父の書斎の部屋はとてつもなく広かった。 10畳以上あっただろう。 充高感溢れる勉強机に、回る調整可能な高い椅子。 沢山の資料と引き出し。 当時珍しかった、テレビにビデオデッキが付いていて、ビデオをダビング出来る機械。 オーディオ機器もわけ分からないぐらい細かく大きめだった。 テレビを見る為なのか、透明なガラスの机と人が寝れるぐらいの大きさのソファーがあった。 その部屋に何故か私だけが父と居て… ベルトや濡れた絞ってねじったタオルで、よく叩かれた。 痛くて跡が残って、誰にも言え無くて耐えていた。 苛々すると直ぐに私だけベルトで叩く。 父は部屋に濡れたタオルをよくハンガーにかけていた。 一番濡れたタオルで叩かれた。 加減を知らない父だった。 父が休みだと、タオルで叩かれる、 と私の中で認識されてしまった。 何も悪い事はしてない。 弟はされなくて、何故私だけ? 小学校低学年迄続いた。 誰にも言えなかった。 濡れたタオルで絞って殴ってみてほしい。 タオルだからじゃなく、 かなりの痛みが男性の力なら有る。 小学三年から六年迄。 成績が悪いと毎回、広辞苑の角で頭を殴られた…。 血が出る位…。 痛いけど言うと怖いから我慢してた。 暴言は七年前迄ずっとあった。 [階段から落ちて死ね] [車にひかれて死ね] 等… 後それが虐待だったと、 私の事を全て知る、 有る医師が嘆きながら言った。 私は父が一番嫌いだった。
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