1. “落ちこぼれ”ノ話

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 屋根から飛び降りた俺は、未だに膨張を続ける魔法障壁に触れる。バチリと電気が走る感覚。校舎とそれに潰されそう。でもその前に。  俺は輝く薄黄色の壁に包まれた彼の姿を目に止めた。いくら服従が誓われているとはいえ、召還に使う魔力に体が耐えられなかったようで、気絶している。もう少し賢ければ、こんなことにはならなかったのにね。  さて、準備はできた。俺は軽く笑みを湛え、<力>を奮う。 「さようなら。ジャックス・アトビア」  アトビア家の次期当主、という存在は今この瞬間消え去った。
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