学校作戦 第1部

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年々 若者の自殺者は増えつつあった。 その理由は ボクたちが知っていた。 もちろん、個人差は存在しているし考え方は人によって変わる、でもそうじゃない。 この世界には二種類の人間がいるようだ、 才能のあるものと才能を持たない人間だ。 ボクはその 才能のない 自殺祈願者だ。 でも ボクは死にたくない。 でも 生きがいがない。 生きてどうするのか? 才能のない 趣味もない ……。 死ぬしか道がないのだ。 友達……。 誰だって 良き友達や思い出を作りたいに決まっている。 でも 、その夢が儚いと悟るのは 近い。 その 現実に気付いたのは 中学生ぐらいだろうか? 人の悪口を言い合い、馬鹿笑いして他人を貶し、自分たちは話が合う友人を増やす。 その悪質な言葉を言われた人間は地獄行きだ。 最初は 数えるぐらいの人数だったが、 日に日に悪口を言う人間が増えていった。 その中にはかつての親友も含まれていた。 ボクは その時の初めて 裏切りを知った、 あれほどの仲だったのにこんなにも簡単にこれまでの縁を切れる人間だとは思えなかった。 あっという間に 中学生時代自分の居場所は消えてしまった。 毎日、毎週、毎年 ずっと 陰口 悪口 暴力 悪戯 などを ひたすら 仕事をするようにされ続けられた。 ボクは 何度 自殺を試みただろうか? 数え切れないぐらいの 数だろう 親にも 相談は出来ず、ひたすら1人 孤独に戦ってきた 。 でもボクには光が1つ たった一つだけ 存在していた 。 『学校作戦』という 高校の部活が有るという その 部活動の内容は 自衛隊だ 要するに ミリタリーな 活動をする部活動だ 本物の 特殊急襲部隊やテロ対策部隊が 協力している 本格的な 部活動だった 。 ボクはあまり ミリタリーな事は好きではなかったが、このキャッチコピーに惹かれた。 『熱い友情と信頼を持つ、戦友を見付けよう!』 中学生時代は 散々な目にあったボクは 高校時代では 本当に信頼できる友人を見つけ 幸せで楽しい 高校時代を創る為 、 この 高校に入ることに決めたのだった。 もう その時点で 自分は正に墓穴を掘る勢いだった。 何をしても何も出来なかった自分が 今更 何ができるのだろうか? その考えに至るのは随分 先の話だ。 誰も 助けてくれない、 そう誰も。
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