1人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
「お前たちは 銃器を大量に運ばれているのを確認したのか? 」
「ええ 多分 」
「そんな 曖昧な答えは聞きたくない、見たのか? 見てないのか?」
「見ました、大手エアガン会社の電動ガン、ガスガンなど あらゆる物です 」
ボクは これが最後だと 考え 答えた。
「もう その“武器密輸 ”みたいなやり取りは数件も増えている、 この日本は治安が悪くなっているが 電動ガンやら ガスガンを使っている人間は居ないんだ 。 おかしい。」
考えるとそうだった、テレビから流れるニュースからは 放火や鈍器での 情報ばかりで、
エアーガンで他人に被害を及ぼしたのは聞いたことが無かった。
「こいつで 決定的だ 」
吉田が 頑丈そうな黒いダッシュボードから
数枚の写真を取り出した。
「これは…… 」
ボクの背中に 冷たい何かが通り過ぎる
写真には 豪勢な訓練施設が写っていた、
ほとんどが手造り臭がする ような 個人的に造った物もあったが どれも頑丈そうで資産には困ってはいないように見えた。
「こんな 施設が発見されたのは 最近だ、
もちろん この写真は極秘だ 」
吉田が言うと、 写真をまた黒いダッシュボードに戻した。
「そこで必ずと言っていいほど ある名前が出てくるんだ 」
「名前? そんなに特定できてるのに何故、身柄を確保しに行かないんですか? 」
西山が 不思議そうに質問すると
「分かるだろ? 『誰も信じない』からだ」
トトロを最初を見つけた あの少女が中々 他人に信じてくれなかったように、こんな決定的に証拠が有るのに信じてくれない。
よく あるパターンだ。
「…名前は 〝曽根 真〟」
「なんてこった! 」
ボクは誰にでも聞こえるような大声で言ってしまった、
驚きは当分続き 動揺も長く続いた。
「……知り合いなのか? 」
木島さんはボクに 遠慮なく聞いてきた、
当たり前だろう こんなに動揺したのは 生まれて初めてだ。
「彼は ボクの中学時代の友人です 」
最初のコメントを投稿しよう!