―第一章―

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 そんなこんななわたしは――そんなこんな内気でおとなしくていつも下ばかり見ているわたしは、女の子相手ですらまともにお話しできません。ましてや男の子なんてもってのほか。話しかけられても、返事すらまともに返せません。――そもそも話しかけられることが皆無ですけど……。  だから彼氏なんてもっとのほかで、親しい男の子さえいません。どころかクラスの男の子の顔さえあやふやで……。  そりゃ、彼氏はおろか、恋だってできませんよね……。わかってます。わかってるんですけれど……、自分を変えるのってすごく大変で――しんどいです。しんどいのは嫌いです。(と言うか好きな人なんていませんよね? ……。)  いまもこうやって語っているのは、実はすごく頑張ってます。心臓ばくばくで心臓マッサージされている気分なくらいです。とてもしんどいです。  ……された覚えはないですけれど。  ――それでもやっぱり女の子で――女子高校生なので、みんなみたいに恋愛とかしたいのです。  『内気な子は恋愛に関しても内気だ』とか、『疎い』とか思う方がいるかもしれませんけど、それは大きな間違いです。赤点レベルです。ほんとは凄く積極的だったりガツガツだったりするんです。――わたしの場合は心の中でだけですけれど……。  って、それを内気とか奥手とかいうんですね。ごめんなさい……。  
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