*嶋岡葵*

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「葵ってさ、うちらと合わないよねー」 「確かにー!つか、あいつ濱田くんに可愛いがられてるからって調子乗りすぎだし」 …仁に可愛いがられてる? 確かに妹扱いするけど、あたしはそんなのお断りだし。 …ってゆか、仁に可愛いがられてるからって調子なんか乗ったことないし。 次々と思いは溢れては心に閉まってゆ く。 あたしはどうやら、嫌われてるみたい。 ま、どうでもいいけど。 あたしの悪口言ってる女子等は、あたしの存在に気づいてない。 だってここ、トイレだし。 あたしは気分悪くてトイレに入って携帯をいじってたとこを、あの子等はやってきた。 どうやら手洗い前で喋ってるみたい。 「葵とは合わないけど、葵と仲良くなっとけば濱田くんと喋れるし♪」 「うんうん!この前、濱田くんに葵と仲良くしてくれてありがとーって言われた♪」 「マジでーー!」 …ギャーギャーうるさいし。 ってか、仁そんなこと言ってたんだ。 …余計なことを。 「頑張れば濱田くん彼氏にできんじゃーん?」 「ははっ!夢見すぎー!」 仁が相手するわけないじゃん。 だって仁は…… ううん、余計なことは考えない!! 「一回葵になりたいよねー」 「あ、わかる!」 「あんな奴になりたくないけど、濱田くんと毎日喋れるなら我慢する!!」 「同感!」 あたしになりたくないけど、仁の為にあたしになりたいとか… ふざけてんの? とりあえず、ここから出よう。 何であたしがこんな奴らに気を遣わなきゃいけないわけ? …あんな奴ら、もともと友達とか思ってないし。 あたしはドアノブに手を伸ばしたーー。
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