0人が本棚に入れています
本棚に追加
「葵ってさ、うちらと合わないよねー」
「確かにー!つか、あいつ濱田くんに可愛いがられてるからって調子乗りすぎだし」
…仁に可愛いがられてる?
確かに妹扱いするけど、あたしはそんなのお断りだし。
…ってゆか、仁に可愛いがられてるからって調子なんか乗ったことないし。
次々と思いは溢れては心に閉まってゆ く。
あたしはどうやら、嫌われてるみたい。
ま、どうでもいいけど。
あたしの悪口言ってる女子等は、あたしの存在に気づいてない。
だってここ、トイレだし。
あたしは気分悪くてトイレに入って携帯をいじってたとこを、あの子等はやってきた。
どうやら手洗い前で喋ってるみたい。
「葵とは合わないけど、葵と仲良くなっとけば濱田くんと喋れるし♪」
「うんうん!この前、濱田くんに葵と仲良くしてくれてありがとーって言われた♪」
「マジでーー!」
…ギャーギャーうるさいし。
ってか、仁そんなこと言ってたんだ。
…余計なことを。
「頑張れば濱田くん彼氏にできんじゃーん?」
「ははっ!夢見すぎー!」
仁が相手するわけないじゃん。
だって仁は……
ううん、余計なことは考えない!!
「一回葵になりたいよねー」
「あ、わかる!」
「あんな奴になりたくないけど、濱田くんと毎日喋れるなら我慢する!!」
「同感!」
あたしになりたくないけど、仁の為にあたしになりたいとか…
ふざけてんの?
とりあえず、ここから出よう。
何であたしがこんな奴らに気を遣わなきゃいけないわけ?
…あんな奴ら、もともと友達とか思ってないし。
あたしはドアノブに手を伸ばしたーー。
最初のコメントを投稿しよう!